静けさに包まれる不思議な場所。憾満ヶ淵(かんまんがふち)で、心を整えるひとときを
- TORCH
- 4 日前
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日光の有名観光地・東照宮や神橋からほど近い場所に、ひっそりとたたずむ神秘的な渓谷「憾満ヶ淵(かんまんがふち)」。
観光地の賑わいとは対照的に、ここには静けさと自然の力強さ、そして不思議な魅力が漂っています。
目次
1. 憾満ヶ淵ってどんな場所?
憾満ヶ淵(かんまんがふち)は、男体山から噴き出した溶岩が大谷川の流れによって削られてできた、独特の地形が広がる渓谷です。川のせせらぎと奇岩が織りなす風景は、まるで時間が止まったかのような静けさを感じさせ、日光の中でも特に神聖な空気が漂うスポットとして知られています。
その名の由来は、川の音が不動明王の真言「かんまん」に聞こえることからとされています。岸の岩には「かんまん」と刻まれた梵字(ぼんじ)があり、これはかつて“投げ筆”によって描かれたという伝説があります。しかし実際には、明治時代に日光山輪王寺の修験僧・山順僧正(さんじゅんそうじょう)によって奉納されたものであることがわかっています。この梵字は、不動明王の力を表し、訪れる人々の心を鎮める祈りが込められているのです。

2. 並び地蔵(化け地蔵)とは?
ストーンパークの駐車場から徒歩200mほどの場所に現れるのが、ずらりと並ぶお地蔵さまたち。整然と並んだその姿は「並び地蔵」と呼ばれていますが、地元では「化け地蔵」とも呼ばれています。
その理由は、行きと帰りでお地蔵さまの数が違って感じられるという言い伝えがあるから。不思議な話ですが、実際に数えてみると「あれ?さっきと数が違う?」と戸惑う人も少なくありません。どこか神秘的でユーモラスなこのエピソードも、憾満ヶ淵ならではの魅力です。

3. 歴史に刻まれた水害と復元の歩み
明治35年、足尾台風によって大谷川が氾濫し、多くのお地蔵さまが流失してしまいました。一部は今市まで流されたとも言われています。その後、地元有志の協力により、失われたお地蔵さまたちは再びこの地に集められ、現在のように復元・安置されました。
また、並び地蔵の背後にある慈雲寺の本堂も、同じく大洪水により流されてしまいましたが、昭和48年にようやく現在の姿へと再建されました。この場所には、地域の人々が自然の脅威と向き合いながらも、大切に守り続けてきた想いが息づいています。

4. TORCHスタッフの感想とおすすめポイント
日光市で働く私たちTORCHスタッフも、時折この場所を訪れて心を整えています。
まず目を引くのは、ずらっと並ぶお地蔵さまたち。ひとつひとつ表情が異なり、じっと見つめていると、なんとも不思議で神秘的な感覚に包まれます。優しく穏やかな顔をしたお地蔵さまたちは、まるで訪れた人の心に寄り添ってくれるよう。なぜかホッとする、そんな不思議な力を感じます。
そして、私たちが特に好きなのが、大谷川の流れの美しさ。男体山から噴き出した溶岩が冷えて固まり、自然の力で形づくられた奇岩の中を、清らかな川が流れ続けています。その水音は力強く、それでいて心地よく耳に響きます。思わず深呼吸したくなるような澄んだ空気に満たされ、自然の偉大さに包まれるような感覚を覚えます。
観光地でありながら静けさが保たれ、日光の“もう一つの魅力”を感じられる特別な場所。それが憾満ヶ淵です。

5. キャンプ × トレッキング × 温泉で、日光をとことん楽しむ
憾満ヶ淵の静けさと神秘に触れたあとは、トレッキングや温泉と組み合わせて、心も体もリセットする一日を過ごしてみませんか?
■ 鳴虫山トレッキングで自然と一体に
憾満ヶ淵からは、標高1,103mの鳴虫山(なきむしやま)へ向かう登山道が整備されています。コースタイムは往復5〜6時間程度で、登山経験者の方なら比較的チャレンジしやすいのが魅力。山頂からは男体山や日光連山、日光市街が一望できる絶景が広がります。
朝の澄んだ空気の中を歩く時間は、まさに自然と向き合う贅沢なひととき。日常では得られないリフレッシュ効果を実感できます。
スタッフの山行記録、こちらをご覧ください(ヤマレコ山行記録)
■ 登山後は温泉で癒されて
トレッキングで心地よく疲れた体を癒すなら、憾満ヶ淵から車で約10分の場所にある日光温泉 やしおの湯がおすすめです。
地元の人にも愛される温泉施設で、広々とした内湯と、開放感のある露天風呂が魅力。アルカリ性単純温泉で、疲労回復や冷え性にも効果的とされています。登山のあとの筋肉のこわばりも、じんわりとほぐれていく心地よさ。
湯上がりには、ゆったりとした休憩スペースでのんびりくつろげるのも嬉しいポイント。自然の中でたっぷり動いた一日のしめくくりに、ぴったりの癒しスポットです。
■ TORCHでのキャンプ泊で、非日常を味わう
一日たっぷり自然に浸ったあとは、TORCH Camping & Coworking Space(トーチキャンピング&コワーキングスペース)でのんびりとした夜を。焚き火を囲みながら語らうひとときや、静かな星空を眺める時間は、都会ではなかなか味わえない贅沢です。
日光に来たら、ぜひ一度訪れてほしい
賑やかな観光地を巡ったあとは、憾満ヶ淵でちょっと足を止めて、自然の静けさと不思議な空気感に包まれてみてはいかがでしょうか。
目には見えないけれど、確かにそこにある“何か”を感じられる。そんな場所です。
この記事を書いた人

Christina Hoshino
Webデザイナー
楽しいことや、幸せを見つけるのが得意なポジティブウーマンです。
アウトドア初心者の私が、実際の体験や、情報を独自の視点でお伝えします!
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