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鳴虫山 登山ガイド|所要時間・ヒル・熊・初心者の目安。TORCHから車を出さずに歩く周回12km

9月20日
読了時間: 7分

更新日:7 日前


雪の残る山道で木製の案内標識が立ち、落葉した木々の向こうに雪化粧の富士山が見える、晴れた静かな景色。


目次



1. 鳴虫山はどんな山か。初心者は登れるか


日光といえば東照宮や華厳の滝ですが、TORCHのある日光エリアには、市街地からそのまま登れる山がいくつもあります。その代表が鳴虫山です。


古くから日光の修行僧が登った山で、登山道には木の根が張り出し、序盤から急登が続きます。「入門コース」と呼ばれるのは、標高と距離が手頃で、駅から歩いて登山口に行けるからです。道が楽だからではありません。


正直に書くと、登山が初めての人が1人で登るのはおすすめしません。低山を1〜2回歩いた経験があるか、日頃から運動している人なら、時間に余裕を持てば十分登れます。登り終えたあとの憾満ヶ淵の川の音は、その分だけ気持ちよく聞こえます。


2. ルートと所要時間


▼今回紹介するルート



今回のルートは、

TORCH → 鳴虫山 → 神ノ主山 → 天王山 → 神橋 → 憾満ヶ淵 → TORCH

を巡る周回コースです。


距離は約12km、歩行時間は5〜6時間。休憩を入れると6〜7時間です。


日光駅まで下りればバスもあるので、体力に合わせて途中で切ることもできます。


今回は発電所側(憾満ヶ淵側)から登っています。一般的なガイドは日光駅側から登って憾満ヶ淵に下る逆回りが多く、迷いにくいのはそちらです。発電所側の序盤は林業道と交差して分かりにくい箇所があります。


時間配分や高低差は、ヤマレコで山行記録を公開しています → ヤマレコ山行記録


それでは出発です!!

まずは、TORCHから鳴虫山登山道入り口がある『日光第一発電所』へ向かいます。

建物の奥、一番高く見えている山が今回登る『鳴虫山』になります


青空と朝日、山並みを背景に、黒い建物が建つ静かな冬景色。手前に坂道と枯れ草、少し雪も見える。


校舎前の冬枯れの中、石積みの門柱と「立入禁止」「関係者以外の立入禁止」看板があり、静かな雰囲気。

道中には、2024年に閉校になった日光市立安良沢小学校があります。

最も多い時は1200名以上の生徒が在籍しており、TORCHのある久次良・安良沢エリアを昔から支えてくれた小学校です。


さらに進むと石造りの吊り橋が現れ、その麓には松尾芭蕉の句碑もあります。

観光地として賑わう日光とは少し違う、この地域の日常や歴史を感じながら歩けるのもこのルートの面白さです。



山に囲まれた吊り橋の歩道を正面から見た風景。白い柵と石の塔、遠くの石造アーチ、冬枯れの森と青空が静かに広がる。

3. 森の中を歩き、山頂を目指す

日光第一発電所に着くと、登山道の入口です。発電所の脇の砂利道を進み、森へ入ります。


発電所に併設されているダムは、以前の記事でも紹介したローリングダム。全国的にも珍しい構造で、このエリアならではの見どころです。(→ TORCH周辺の歴史ある遺産と歴史話)

全国的にも珍しい構造のダムで、このエリアならではの見どころのひとつです。


葉のない木々と青空の下、山道脇にフェンスで囲まれた送電設備があり、注意看板が立つ静かな風景。

木製掲示板に、鳴虫山歩道案内図の古い地図。登山道、現在地、花のイラストや凡例、1985年作製の文字が見える。


ここから先は舗装されていない登山道となるため、道を間違えないよう注意して進んでいきます。

序盤は林業の方々がつかう林業専用道があるエリアとなるので少し迷いやすくなっていますが、目印として木に『○』が書かれているので、それを辿っていきましょう。


山の針葉樹林で、幹に黄色い丸印があり、いくつかの木が白い網で巻かれている静かな斜面。

しばらく進んでいくと、木の根が露出している急勾配が続きます。

足元が取られやすいので、設置されているロープを使いながら気をつけて登っていきましょう。

時より後ろを振り向くと、TORCHや安良沢の街並みが木の隙間からちらっと見えてきます。


木の根がむき出しになった急斜面の森。落ち葉と倒木が散らばり、木漏れ日が差す静かな山道のような景色。

春にはミツマタが咲き、キツツキが木を叩く音や鳥のさえずりが聞こえます。ミツマタの群生地もあるので、休憩しつつゆっくり登りましょう。見頃は4月中旬ごろ。撮影時はまだ蕾でした。


森の中で、ミツマタの枝先に下がる白いつぼみを接写した写真。背景はぼけた木々で、静かな冬の雰囲気。


5. 男体山を望む鳴虫山山頂


尾根伝いに進むと、標高1,084mの合峰に着きます。ここまで来れば山頂はもうすぐ。


鳴虫山山頂に到着。広々とした山頂には腰掛けられる木もあり、休憩にはちょうどいい。ここで景色を眺めながらコーヒーを飲みました。頑張って登ったあとだからこそ味わえる時間です。


ひとつ注意。写真の男体山や日光連山が見えるのは、葉が落ちている11月から4月です。春から夏は木が茂って、山頂からの眺望はほとんどありません。景色が目的なら、冬から早春に。


木製の登山道標が2本立ち、雪の残る落葉林の分岐を示す。青空の下、鳴虫山0.6kmなどの文字が見える。


雪の残る山頂付近の展望地。落葉した木々と青空の下、木製標識に鳴虫山の文字が見える静かな冬景色。

青空と雲の下、雪をかぶった山並みを見下ろす冬の風景。手前に葉のない木々、静かな山間の谷が広がる。

ここから先は基本下りになるので、挫かないよう気をつけて下っていきましょう。

途中の尾根に、針葉樹と広葉樹の境目があり、植生や季節の移ろいの違いなんかも楽しめます。


雪の残る森の尾根道。葉のない木々の間に青空が広がり、静かで冬らしい景色。木に赤黄の小さな標識が見える。


6. 神橋を抜けて憾満ヶ淵へ


山頂からは神ノ主山、天王山を経由して日光市街地へ下ります。

ちょうどお昼頃になるので、駅周辺で昼食を取るのもおすすめです。


雪を頂く山々を背景に、青空の下の温泉街の通りを白い車が走る。街灯や店先の看板が並ぶ、のどかな風景。

体力が残っていれば、まだ楽しむポイントがあります。東照宮方面に歩くと、日光を代表する景観のひとつ、神橋が見えてきます。時間に余裕があれば東照宮に立ち寄るのもいいですが、今回はそのまま憾満ヶ淵へ。


渓流にかかる赤い橋と周囲の森、川沿いの道路を走る車とトラックが見える、静かな山あいの風景

大谷川を左手に進んでいくと憾満の路を案内する看板が見えてきます。

このルートに沿って進んでいくと憾満ヶ淵に到着します。


日光の散策地図看板。上部に赤い「現在地」と約5Kmの憾満の路(KANMAN PATH)ルート図、下部に説明文がある。

森の中の石畳の道の先に、苔むした石垣と木造の小さな門が立つ静かな風景。

憾満ヶ淵には「化け地蔵」と呼ばれる約70体のお地蔵さまが並びます。

数えるたびに数が違うと言われており、日光でも有名な不思議スポットです。


森の小道に並ぶ苔むした地蔵像。赤い帽子と前掛けが目立ち、静かな雰囲気。

岩に囲まれた透明なエメラルド色の渓流が静かに流れる、苔むした岩壁と浅瀬の自然風景

さらに奥へ進むと、大谷川の清流と奇岩が織りなす静かな景色が広がります。

登山のあとの疲れた体に、この川の音が心地よく感じられます。

上流に進んでいくと、登山道の入り口『日光第一発電所』に着き、そのまま行きで通った道を戻れば無事TORCHに到着です!お疲れ様でした!


木製外壁の建物正面に「TORCH Coming & coworking space」の看板。山と木、青空を背景にした静かな外観。


7. ヤマビル・クマ・服装 ── よく聞かれること

Q. ヤマビルは出る? 出ます。5〜9月、特に雨の日と翌日です。日光市の観光サイトでも、鳴虫山周辺のコースは6〜10月の雨天時にヒルの被害報告が多いと注意が出ています。足首の素肌を見せないのが基本。ゲイターが一番確実で、TORCHで数に限りはありますがレンタルしています。ヒル除けスプレーや塩も効きます。吸われたら慌てず、塩をかけて剥がしてください。


Q. クマは? 日光エリアはクマの生息地です。鳴虫山でも目撃例があります。冬眠期以外は熊鈴を持ち、朝夕の薄暗い時間は特に音を出して歩いてください。最新の目撃情報はTORCHのスタッフが把握しているので、出発前に聞いてください。(→ TORCHのクマ対策)


Q. きつい? 登りの大半が木の根の急登で、累積標高差は約700m〜790m。数字は手頃ですが、体感は数字より重いです。ロープ場と、下りの足場の悪さも含めて「登山」の覚悟で。


Q. 服装は? 登山をする人はいつもの装備で。初めての人は、動きやすい服装に、日陰が多いので防寒着を一枚。急登で汗をかくので、速乾のアンダーウェアを。足元は木の根で挫きやすいので、履き慣れた登山靴かハイカットのもの。スニーカーは避けてください。


アスファルト上に置かれた黒い登山靴とグレーのゲイター。mont-bellの文字が見え、使用感のある静かな場面。


8. 鳴虫山を組み込んだ、1泊の過ごし方

鳴虫山は、日帰りでも登れます。でも東京から朝来て登ると、登山口に着くのは10時過ぎ。周回すれば下山は夕方で、憾満ヶ淵は暗くなりかけています。


前の夜にTORCHに泊まると、6時に歩いて出発できます。車はTORCHに置いたまま。下山して、風呂に入って、まだ午後です。


■ ここからTORCHまで

登山口(日光第一発電所)からTORCHまで徒歩約20分。周回ルートはTORCHに戻ってきます。


■ TORCHとは

TORCHは日光市街にあるキャンプ場です。スタッフが常駐していて、ゲストハウスのように、その日のおすすめを聞ける場所です。


自然の中のテントサイトのほか、寝袋ひとつで泊まれるトレーラーハウスがあるので、キャンプ道具を全部持ってこなくても泊まれます。夜は焚き火、朝は貸切風呂。日中は場内のコワーキングスペースで仕事をして、夕方から日光を歩く人もいます。



■ 鳴虫山を組み込んだ1泊の例

15:00 TORCHにチェックイン テントを張る、またはトレーラーハウスに荷物を置く。スタッフに「明日、鳴虫山に登る」と一言。ヒルの対策情報、クマの目撃情報、ゲイターの貸出はこのときに。


18:00 焚き火で、日光HIMITSU豚 チェックイン前に渡辺精肉店(TORCHから車で10分)で買っておく。厚切りをそのまま網に載せるだけ。翌日のために早めに寝ます。


翌6:00 コーヒーを飲んで、歩いて登山口へ 車はTORCHに置いたまま。20分歩けば発電所です。朝の登山道は涼しく、ヒルも少ない。


12:30 下山。憾満ヶ淵を通ってTORCHに戻る そのまま車でやしおの湯(TORCHから約5分)へ。戻ってきて撤収してもいいし、2泊目にして焚き火の前で足を伸ばしてもいい。


森の中の草地で、グレーのタープテントの下に座る2人がキャンプを楽しみ、笑顔でくつろいでいる。




  この記事を書いた人   

ペンキを塗る男性

Tetsuya Iwasaki

アウトドア部門マネージャー

SUPインストラクター


アウトドアやDIYが大好きなTORCHスタッフ。

キャンプや登山、マリンスポーツが趣味で休みの日は基本外にいます!アウトドア好きの目線で色々なことをお伝えします!


 
 
 

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